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クラスの子に勧められて、あるお店にやってきた。
「ねえララ、ほんとに入るの?」
一緒についてきた亜美は、なんだか顔を曇らせている。
「えー、だってせっかくクーポンもらったし」
普段話したことはないけど派手でギャル? のような見た目のクラスメイトが、昨日突然クーポン券をくれたのだ。辛杉さんならこのお店気に入ると思うよって。期限が今日までだし、使わないともったいない。
それを話すと、亜美はがっくりと肩を落とした。
「ララー。それ馬鹿にされてるって。そのお店まずいって有名なお店だもん」
「そお? ネットでメニュー見たけどおいしそうだよ。ほら」
お店のメニューを表示したスマホの画面を見せると、亜美はさらにげんなりした顔になった。
「なんでカレーの上にプリンが乗っててお子様ランチみたいな旗が立ってるの?」
「甘くて辛くて見た目にもおいしそうじゃない」
「あー……うん、わかった。ある意味あの子たちが勧めてきたのは正解かも」
そんなことを言って、亜美はよし、と拳を握った。
「私も腹をくくるわ。行きましょう」
はて、友達とランチを食べに行くだけなのになんで腹をくくる必要があるんだろう。そんなふうに思ったけれど、なにはともあれお昼だお昼♪
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