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「ーーとーー思ったけど俺馬鹿だからなー!授業は今まで通りでいこーかなー!!あはーあはーはははははは!は。」
俺がガッツポーズした瞬間、宇田川委員長がぐるんっとこっちを向き両手には書類がたくさん。お顔はニコニコがたくさん。目は笑っておりませんでした。俺は必殺瞬間危機察知能力を発揮し慌てて誤魔化した。
せっかく授業サボれるってのにあいつらの尻拭いだ!?絶対嫌だね!というかそれでなくても仕事はノーセンキュー!!
「…残念だよ。」
クソっ!楽しそうな顔しやがって!!!
「…はぁ、話を始めるぞ。」
「あ、はい。」
そういや新入生歓迎会の仕事のお話でしたね。
「仕事って警備とかか?」
「いやそれは風紀委員が交代で行う。お前は別の仕事だ。」
「どんな?」
迅は俺たち以外誰もいないのを確認するかのようにチラッと周りを見渡した。
「今日は昼休みの仕事は無しにするよう呼びかけているから大丈夫だよ。」
宇田川委員長が迅に声をかける。
「ありがとうございます。それもそうなんですが、あいつら……。」
バァンッ!!
迅が何かを言いかけた途端、風紀室の扉が勢いよく開いた。
「おっはよーございまぁーーーす!!!!」
「こんにちは。」
決して共存しはしないだろう挨拶をして入ってきたのはこれまたやかましそうな薄茶色前髪上げヘアーのドアバァンしたイケメンと、これまた正統派女子にウケそうランキング1.5位くらいのクールイケメン。髪の毛さらっさらすぎるだろ俺と交換しよ。
「あっれー?お客さん?珍しいね!」
「…来栖先輩、2年生の委員の人ですよ。」
「そなの?よろしくねー!!」
俺は元気なイケメンに無理やり握手され、腕をブンブン振られる。そして持ち上げられぐるんぐるんと回される。
ぐるんぐるんと回される????
「うおおおおお!!!??!」
「あははは!君軽いねー!」
軽いねーじゃねえわ馬鹿野郎!!!下ろせ!!下ろせー!!
「あはーー目回ってきた!下ろそ。」
なんやねん!!!!!
突然の空中メリーゴランドについていけず、ぺいっと降ろされた俺は助けを求め子羊のような顔で迅を見た。
「やめろその顔きもいぞ。」
怒られた。この人でなしッッッ!!!ひどいワッ!!
「来栖先輩、こいつで遊ぶのは後にしてください。」
「りょうかーい☆」
駄目ですが???????何勝手に許可して勝手に了解してんの??馬鹿なの??ってか
「先輩?」
「んぇ?そうだよ!僕は来栖匠真(クルスタクマ)、風紀の3年代表!よろしくね!!」
完璧な王子様スマイルで自己紹介する元気なイケメンこと来栖先輩。アイドルとか向いてそう。その光、俺にはちょっと眩しいです。あとこの吐き気どうしてくれんだコノヤロウ
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