117人が本棚に入れています
本棚に追加
「に、してもさぁ………」
「うん…………」
歩と旭が目配せし合いながら呟く。
「………………地味ーーーー…だね…………。」
「あははは!確かに、ふくかいちょーと比べたらそうかもねぇ。」
「本当に兄弟なんですか…?あまりにも差が…。」
「あの鬱陶しい前髪の下は案外イイ面してんのかもしれねえぞ。」
「そうかなぁ………?」
千明っち、散々な言われよう(笑)かわいそぉ
んーまぁでも………
「というか、そんなこと和興は今まで言ってませんでしたよね?どうして知っているんですか?」
雅先輩がかいちょーに尋ねる。
「あるスジのやつが嬉々として話やがっただけだ。」
出たぁ、かいちょーの『あるスジのやつ』
「じゃあなんでふくかいちょーは言わなかったんだろぉねぇ。」
俺らだって世間話くらいするけどなぁ。
「別に話す必要無いと思ったんじゃないの?」
「確かに僕らだって言われてもね。」
…千明っちほんとにかわいそぉ…………
「お前ら詮索すんのはもうやめろよ!!もしかしたらなんか、大事な理由があったのかもしれないだろ!?!?」
理久斗っちが訴えるように叫ぶ。
それに圧されたように静まり返る生徒会室。
「あいつらにはきっと、人に言えないような悩みがあるんだ!!!だとしたら、俺はあいつらの友達だからそれを聞いてやらなきゃならない…!!!!!!」
「理久斗………」
「なんて優しい……!」
続けて熱く語る理久斗っちに感銘を受けてる雅先輩達。
まぁ…それは俺にはどうでもいいかなぁ…でも、
「…あ!俺ちょっと用があるんだったぁ。今日は先帰らせてもらうねぇ。」
俺は空気を壊さない程度にそう言い残し、生徒会室を出た。
それにしても、不思議だなぁ千明っち。
だって、掴めないんだもん。
俺たちと関わりたくないっていうムーヴは迅君と一緒だけどぉ、それ抜きにしてもなんか変だし。まあそこが面白いんだけどねぇ。
なんて考えながら廊下を歩いていると、目標の背中が見えた。心なしか、いや、がっつりだね。遠目でも見て分かるくらい足をドスドスさせながら歩いている。あの方向は風紀室かなぁ?
「千明っちぃ〜〜〜〜〜〜〜!!!」
大声で名前を呼びながら走り出すと、振り返った千明っちがとっても嫌そうな顔をして叫び返す。
「げっ、お前なんで来てんだよ!!!」
さっきまで敬語を使ってた千明っちはどこへやら。
「ん〜?暇だからついてきたぁ!」
すぐに追いつき、千明っちの肩にのしかかる。
「いや仕事をしろ…って、え、うおっ…!?」
俺に体重をかけられた千明っちは呆気なく倒れ込んでしまった。
「……千明っちよわぁい。」
「うるっせぇ!!!!」
最初のコメントを投稿しよう!