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う、うわーーーーー…………………
声に出さなかったことを褒めて欲しい。いや声に出なかったのかもしれない。余りの衝撃に。
あ、うるさいからシャットアウトしてたけどこの瞬間に背景高音SEさん達のえげつない悲鳴が食堂に轟き渡りました。もうね、人死んだレベル。
っつか転校生君てめえそんな大人しい声出んなら普段からその声量で喋れやこの生物蓄音機!!!
迅くん、先程よりも大きなため息。大丈夫?魂まで吐き出してない??というか顔に嫌悪の表情出しすぎじゃない?仮にも片方先輩ぞ?一応。
「ああ、理久斗。大丈夫だ。新入生歓迎会は俺がお前と一緒に参加してやるよ。」
会長さん、その顔で合ってます??本当にその顔で合ってます??さっき俺に向けた眼光どこやったんすか。
そしてこの甘えたモードの転校生君に悲鳴を上げたのはもちろん背景共だけでは無く
「…〜っ!!ちょっとちょっとちょっとぉ!!理久斗は僕達と参加するのぉ!!!!」
「そうだよ!!ね!理久斗!!」
まず双子が転校生君と会長の間に割り込み
「いえっ!理久斗は私と参加するんですよね!?ね!?」
書記さんが転校生君にしがみついた。
そしてキャットファイッッッ!スタートゥ!!カアァァンッ!!!!
いやスタートゥしちゃいかん!!!この場でこの方々のキャットファイトはいかん!!!!
とは言うものの俺にこれが止められるはずもなく。
「あぁ?理久斗は会長である俺と参加するに決まってるだろうが。」
「私です!!空牙には仕事があるでしょう?!」
「それなら雅だってそうでしょ!だから僕達!!」
「僕達!!」
「お、お前ら俺のために争うのはやめろって!!!」
迅が何度か声をかけるも、全く意味無し。
背景共は悲鳴上げたり騒いだり食堂の空気はもう最悪。地獄。阿鼻叫喚ってよりはもう冷凍庫。
転校生君は多方面から腕を引かれながらおろおろ。なんか、満更でもなさそうな気がするのは俺だけか?にしてもあんなテンプレの極みみたいなセリフを目の前で聞くことになるとは思わなんだ。聞きたくはなかったけど。
同意を求めてチラッと迅の方を向く
ア゛ッッッッ!!!お顔!!お顔がえらいことに!!握りしめられた拳に血管がっ!!!
迅ブチ切れまでー?さーん、にーぃ、いー…
ダァンッ
突然大きな音が響き、静まり返る食堂。
か
「…いったいなんの騒ぎだい?」
会長達を挟んだ向こう側を見ると、踏み鳴らした足を軸に仁王立ちするイケメンが立っている。
会長はスっと転校生君から手を離し、背筋のピンと伸びたそのイケメンに向き直り、くっそ低い声で呟いた。
「……………………英真。」
う、う、宇田川委員長ぉぉぉ〜〜〜っ!!!!!!
天の助け!!神!!!天才!!!!!!
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