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会長と宇田川委員長が睨み合う形で相対する。
これで食堂は完全に南極になった。
「…どうやらまた生徒会が暴れていたようだね。」
「ヒッ、」
宇田川委員長は先程までキャットファイトしてた生徒会の人たちをチラッと睨む。双子のどっちかが小さく悲鳴を上げて後ずさる。
書記さんも流石に緊張した面持ちで宇田川委員長を見ている。
「空牙、一体いつから動物園の園長を始めたんだい?猿でももう少し静かだよ。」
はぁっとため息を吐きサラッと罵倒する。宇田川委員長、流石です。
「…あ?てめぇ、もう1回言ってみろやゴラ。」
「迅、千明。突然巻き込まれたのは分かるがもう少し抑えられるよう努めてくれ。いつも好きにさせるわけにはいかないからね。」
「はい。至らずすみませんでした。」
「す、すみませんでした…。」
迅と頭を下げる。あんなのどうにかできるやついるかよ!って思ったが仕事は仕事だ。俺らがやらなきゃいけなかった。
「てめぇ、無視してんじゃねえよ!」
会長が宇田川委員長の胸ぐらに掴みかかる。宇田川委員長は眉一つ動かさず会長を睨み返した。
「…胸ぐらを掴む行為は暴力行為に該当する。このまま続ければ校則違反で処罰の対象になるだけだよ。」
「………チッ」
会長は舌打ちをつき、宇田川委員長を軽く押し払うように手を離した。
いやもう冷静すぎて怖いけどちょっとカッコイイと思ってしまった。あのおちゃらけてた委員長はどこへやら。
「…おっ、お前らっ!喧嘩はいけないんだぞ!!!!!」
いやどちゃクソ馬鹿みたいなセリフ聞こえてきたが!?!?この状況で音声を発するやつなんて1人しかいねぇ…!!
「理久斗……」
転校生君!!!!!!お前やっぱ頭おかしいぜ!!!
「君は…緒方理久斗君、だったね。君も中々やらかしていると聞いているよ。」
「理久斗は関係ねえだろうが!!」
「ないわけないだろう。」
話というか問題のど真ん中だわ。
「黙れ。大体てめーは昔から….」
「失礼だが、僕は君と口論するためにきたわけではなく、『委員長補佐様が困ってらっしゃる。』って通報を受けてきたんだよ。」
え、他にも風紀委員いたの?出てきて加勢しろよ!!
「はっ、クソ風紀委員長様がよ。いい加減過剰過ぎんじゃねーか?嫌われんぞ?」
「お生憎だが僕にはかわいい部下がたくさんい流からね。ご心配なく。」
宇田川委員長はニコッと意味深な笑みを浮かべて言った。
な、なんか背筋ゾワってした….。迅も顔をしかめて気持ち宇田川委員長から引いてる。
「………気持ちわりィな...。」
今会長とちょっとだけ心が通じ合った。
「ともかく、これ以上ここで暴れるんじゃない。理久斗君も、あまり度がすぎるとこちらも下さねばならない事がある。」
笑顔をキープしたまま宇田川委員長は階段を降りていき、迅もそれについていく。
俺は動けずにいたが、迅に目線で指示され会長達にペコっとお辞儀だけし、その場を後にした。
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