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ということで少しだけそっち系の知識がある訳ですが、だからといって何か出来るわけでもなく。
「………お前よくこの悲鳴の中でトリップできるな…。」
「1年経って慣れてしまったのかもしれない…不本意だけど。」
片耳を塞ぎながらカレーを食ってる目の前のイケメンは北嶋迅(キタジマジン)。この学園での数少ない俺の友人である。お前それ意味無くない?
ここは昼休みの食堂。
俺らはこの春から高校2年生となり、つい先日入学式があったところだ。
「にしても今日いつにも増して悲鳴やばくない?菩薩にもなるわ。」
「うるせえのは同じだろ…………うん?」
迅がカレーを食う手を止め、悲鳴の方を見る。
「なぁ迅…もしかして…………これ近づいてきてない?」
「…………………………気のせいだろ。」
「……そうだよな!気のせい気のせ……」
「やっほぉ〜〜〜!迅く〜ん!!!!!」
「きゃあああああああああああ!!!!!!」
う ☆ る ☆ せ ☆ え
「…うるせぇ」
おい今は声に出すな迅馬鹿野郎なぜなら…
「えぇ〜迅君ひどぉい!!久々に会ったんだからぁ、仲良くしようよぉ!」
「黙れ伊織。」
生徒会会計様に向かってなんて口の利き方…!お前をそんな子に育てた覚えはありません!!
そう、この終始甘ったるい声でチャラ男の代名詞みたいな金髪ハーフアッププリン頭ピアスバッチバチ野郎は我が大須賀学園の生徒会会計、瀬野伊織(セノイオリ)様でいらっしゃいます。
「もぉ!せっかく会いに来たのに!迅君のいけず!」
ちびっ子のように頬をプクッと膨らませる姿は顔が良いせいで様にはなっているが1ミリも可愛くはない。何故なら俺(164cm)より身長が高いから。周りからはキャーキャー聞こえるが知らん。
「…どういうことだ?」
「お久しぶりですね。迅。」
「きゃあああああああああああああああああ」
「うおおおおおおおお!!!!」
より一層悲鳴が強くなる。…心なしか若干太い声が増えた気がする。
「…須藤先輩まで、何用でしょうか。」
説明しよう!須藤先輩とは!大須賀学園の3年生、生徒会書記でありその優しさと銀フレームのメガネと少々長く、流れるような美しい銀髪から『銀の女神』とか呼ばれてたり呼ばれてなかったりする須藤雅(スドウミヤビ)そのお方であーる!!
「迅、あなた、生徒会に入りませんか?」
「…またですか?その件はお断りすると以前お伝えしたはずです。」
あーー!ちょっと説明してる間に話進めないで!エンドレス説明になっちゃうでしょーが!!
「本当に断るのですか?生徒会に入ればその仕事に見合った様々な特権もありますし、内申も良くなりますよ?」
「間に合ってます。」
「ふふ、でしょうね。」
「………」
あ、迅の顔がすげえ事になってる。
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