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来栖先輩はヤレヤレとオーバーなアクションでソファにもたれかかった。
ちょっとその危ない発言すんのやめてもらっていいっすかね???
「今回、その梵ヶ丘が手を出してくるかもしれない。だがこれが他の生徒に知られれば大変なことになる。」
迅はチラッと宇田川委員長の方を見た。おそらく宇田川委員長の指示だということだろう。
「それで俺ら4人は別の担当をすることになった。」
「なんで梵ヶ丘の奴らが手を出してくるかもしれないって分かったの?果たし状でも来た?」
「まあ似たようなものだね。これを見てくれ。」
宇田川委員長が先程までいじっていたパソコンの画面をこちらにくるっと向けてきた。
『from:橘亜緒兎
to:宇田川英真
やあ、元気にしてるかい?別にしていなくてもいいんだけどね。君のところは相変わらず野蛮なことをするようだね。全く、同じ上流階級の人間とは思えないよ。まあ君たちくらいならそうやっておままごとでもしてればいいんじゃないかな。お似合いだと思うよ。でも、まあ、そのままじゃつまらないよね。僕ならもっと面白くしてあげるよ。じゃあお遊戯会…じゃなかった、新入生歓迎会?警備頑張ってね。』
…何これ、メール?
「これって、梵ヶ丘の生徒会長からの…!?」
「そうだよ。全く腹立たしい。一体どう言う教育を受けているのか梵ヶ丘の品質が測れるね。」
お、おぉ…珍しく宇田川委員長がイラついてらっしゃる…
「このメールの内容から、暗に新入生歓迎会に何か仕掛けてくると言ってきていることが分かる。」
「…それで、別の担当ってどんなんなんだ?」
こんなの大人の管轄だろと言いたいがはっきりと言われているわけでもないからそうもいかないのだろう。
「全てにおいて不明瞭だから出来ることは限られる。基本的には巡回だが何かあったらすぐに対処できるようにスマホで連絡を取り合う。」
「ちなみにそれって新入生歓迎会の間ずっとなんだよな?」
「そうだ。」
「ひぇ〜ブラック!」
「だけど本当に攻めてきたりでもしたら大変ですもんね……。」
まあでもその代わりあの変な鬼ごっこに参加しなくていいんならラッキーみたいなとこあるけどな。
にしてもそんなに警戒するほどやばいのか…?
「梵ヶ丘の生徒会長、橘亜緒兎(タチバナアオト)は結構な曲者でね。何をしてくるのかが皆目見当もつかない。」
宇田川委員長は首を軽く横に振り、パソコンを閉じる。
「だけど、警備はしっかり配置しているし君達も居るし余程のことがない限り大丈夫だと思っているよ。」
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