秘密と後輩

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秘密と後輩

当日の配置だけ確認したあと、委員会は解散した。まったくなんて濃い昼休みなんだ。 そのまま俺は迅から学年代表の引き継ぎをし、終わったら昼休み後の授業中というとっても中途半端な時間になってしまった。 「千明くん、君は暇なのかい?じゃあ…」 「あ俺授業行ってきますね!!!数学苦手なので!!!!」 宇田川委員長の横の机に積み上がった書類を見て全力で逃げてきた。 いやでも授業途中から行くってのもなー。めんどくさいし何より授業中の教室に入るってのが地獄だよな。 あれだ、ちょっと遅刻した時の気まずさ。あれがある。 てことで校内をちょっとぶらつくことにしてみた。ほら、あれだよ。警備するのに俺あんまり校舎のこと知らないからさ。うん。 にしたって本当に広い….ん? 知らない廊下を通っていると先に少し扉の開いた部屋があった。さっきからこの廊下にある教室は空き教室だったり全く使われていない講義室だったのに。 …もしかして、大須賀の七不思議…!?的な!?それか鍵のないサボりスポットか!? ちょっとした冒険心が生まれていた俺は、特に何も考えずに扉へと近づき、そっと扉の隙間に手をかけた。 すると、突然グイッと腕を引っ張られ、そばの壁にダァンッと叩きつけられる。 「ぁッ….!?」 一瞬息ができなくなる。だが間髪入れずに顔のすぐ横でまたダァンッと音がした。 横目に見ると目の前にいるやつの腕だった。 つまりこれは…..壁ドンと言うやつですか…? いやいやいやなんでだよ!?危ねぇな!! 「だ、誰だ…?」 「初めまして先輩。ここで何してるんですか?」 俺は顔を上げて目の前にいるやつの顔を見て驚いた。そっれはもう驚いた。 「女……?!」 顔は超絶美少女としか言いようもなく、現実離れした(この学園で言うのもどうかと思うが)右に高くまとめた長い紫の髪も違和感なく見える。 美少女はツリ目の大きな瞳をキッと持ち上げ俺を見上げる形で見据える。 「よく言われますがちゃんと男です。そんなことより、授業中なのにここで何をしているんですか?」 「え…いや…?あの….。」 「先輩がサボっていることはどうでもいいんです。ですがここには空き教室くらいしかありません。」 俺は状況をいまいち理解できず、しどろもどろになる。 えなに?その顔面で女じゃないのか?いやめっちゃサボりですし探検して迷い込んだんですけどそれ言っていいの??この子怖いんですけど!!! 「….お返事がないとこちらも困るのですが…まあそのご様子ですと何か企んでいるというわけではないようですね。失礼しました。」 「あ、ああ….?」 そういうとスッと俺の腕を離し、俺は壁から解放される。ちょっと背中痛い。
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