秘密と後輩

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「僕は西園寺飛鳥(サイオンジアスカ)と申します。先輩は?」 「あぁ..えっと、新城千明です。」 なぜか後輩に敬語を使う俺orz 「新城…ああ、なるほど。確か新しい風紀委員第2学年代表でしたっけ。だから授業中に出歩いてらっしゃるんですね!」 急にころっとテンションが変わり、西園寺はにこやかな顔を浮かべた。 くっそ不覚にも可愛いと思ってしまった。てか 「え、なんで知ってるんだ?」 俺が学年代表になったのはつい先日。発表されたわけでもなし、なんなら同じ風紀委員でさえ知らないやつの方が多いはずだ。 「まぁそれは…知り合いに聞いたというか。」 こいつは1年…ってことは雫石君か? 「引き止めてしまってすみません。ですがこっちは本当に何も無いですよ?」 「いや、そこの教室のドアがちょっと開いて───ってあれ?」 さっき手を伸ばした扉を見てみると、ピッチリと閉まっていた。 「ドア?閉まってますけど…。」 「あれ?おかしいな。幻覚か?」 「疲れてらっしゃるのでは?風紀委員会は忙しいと聞きますし。」 そうなんだよっっっ!!!! ブラック!!あまりにもブラック!!!それもこれも生徒会のせいであって….! 「まあほどほどに頑張ってください!」 西園寺は口元に意味深な笑みを浮かべ、廊下の奥へと去っていった。 なんだあいつ。なんか萎えた..... 「帰ろ………。」 廊下を歩くと、角から誰かがスッと出てきた。 「…え、新城先輩?」 「あ、雫石くん。」 「先輩なんでこんなところに…?」 「雫石くんこそなんで…ってなんか書類?仕事?」 雫石くんは手に書類を持っていた。あのブラック委員会め…こんないたいけな一年生を仕事づけにするなんてよお…! 「まあ、はい。先輩は何か仕事…というわけでもなさそうですが...。」 おっっっふ。 「え、え〜、あー…探検…的な?いやっあの!けっっしてサボりとかそう言うわけではなくてですね?!」 おあああまともな言い訳ひとつも浮かばないこの頭が憎らしい!! 「…ふふ、委員長と北嶋先輩には内緒にしておきますね?」 そう言って雫石くんはバッグに花を咲かせながらニコッと微笑んだ。 まっっっぶし!?はあ!?なんですかその微笑みレベルマックスみたいな御尊顔は!! 「あ…ありがとう雫石くん…?」 「…先輩、これから一緒に仕事するんですし、僕のことは名前で呼んでください。その方が呼びやすいでしょう?」 「えーっと、じゃあ沖史くん?」 「呼び捨てでいいですよ。」 うあっ!!またもやそのキラキラお花スマイル! 「わかった、沖史。えーと、改めてよろしく。」 「はい、よろしくお願いします千明先輩。」 沖史は再びキラースマイルを残し、周囲にお花を浮かせながら去っていった。 罪というやつだ。俺何言ってんだろ。
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