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「だって迅君まだ学年首席だもんねぇ?内申はもう要らないよねぇ。」
ねー!と同意を求め小首を傾げる会計を迅はガン無視し、スプーンを置いて書記さんへ向き直る。
「…ところでどうして今更また勧誘しに来たんですか?」
迅曰く、この先輩には早々に向き合いさっさと話を終わらせた方がマシらしい。
何故迅と書記先輩に交流があるかというと、1年前。俺らが新入生だった頃、こうして同じようにこの食堂で迅が生徒会に勧誘されていた。
理由は会計が言ったように迅が頭良し、顔良し、性格は…まあ…礼儀は良し、だから。
同時期に親衛隊も作られそうになったらしいがそれは迅パイセンお得意の人睨みで止めさせたらしい。何でも手続きやらなんやらに本人も関わらなければならないらしく、めんどくさいんだと。
「今日は1年生の勧誘に来たので、そのついでにもう一度勧誘してみようと。」
「俺は暇だからついてきたぁ。」
1年生の方は会長が行っていますし私は必要無いので。と書記さんはニッコリ。会計もニッコリ。迅はグッタリ。
「はぁ…大体、風紀委員の俺が生徒会に入るわけないでしょう。」
もう細かく説明すんのはめんどくさいから省くけど、王道通りうちの学園でも生徒会と風紀委員会は犬猿の仲ですはい。
「迅は別ですよ。…ですが、残念です。」
しょぼーんと若干わざとらしい表情の書記さん。ところで……
「……会計さんは何をしてらっしゃるんですかね。」
俺は何故か先程から俺の真横に座り俺のA定食のミニトマトを頬張っている会計へと目を向けるぅぅぉぉおおいやお前何してんだよ俺のトマトが!!!
「えぇ〜?よそよそしくなぁい?伊織っちって呼んでよぉ千明っち!」
俺は平穏に学園生活を過ごしたいんだよ!!生徒会役員と知り合うどころかあだ名で呼び合うとかするわけねえだろ!!
「は…え…?何あいつ……伊織様に気に入られてんの…?」
「はっ、身の程知らずにも程があるでしょ、あんな前髪野郎。」
いや前髪野郎て。確かに切るのめんどくさいから長いけどさ。ネーミングセンスどうにかしろよ銀の女神しかり。
無視してなんか銀のスフ〇ーンみたいだなとか思ってたら会計がもう1つのミニトマトにまで手を出しやがった。この野郎。
「あの〜、少々離れていただけませんかね…?」
ほんとはお前に話しかけるなんて俺も嫌なんだよ!ほら!俺の顔ピクピクしてる!!!
「えぇ〜?千明っち、俺の事嫌い?」
嫌いだわ!!!
やめろ馬鹿上目遣いすんな外野がうるせえ
「…いえあの…も、もう用は済んだんですよね?早くお戻りになられ……」
「おい。何やってんだ。」
「きゃああああああああああああああ!!!!」
あーもー頭痛い
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