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「空牙。勧誘は終わったのですか?」
「ああ、本人も希望してたみてぇで二つ返事だ。」
いやしれっと会話始めるのやめて頂いていいですかね
「あぁ…!会長様と雅様…!なんて絵になる!!!!!」
はい。叫ばれてるのをガン無視して書記さんとお話するこのイケメンは我らが生徒会長様、葉山空牙(ハヤマクウガ)さんですねお前らなんなの???迅の顔見ろよ!!今日キャラ崩れるレベルで表情筋酷使してんだろ!明日筋肉痛になったらどうすんだよ!!
「二つ返事?大丈夫ですかそれ。」
書記さんが訝しげな顔で会長さんを見る。
あ、御二方そういうところはちゃんとしてるのね。
なんでそう思ったかと言うと…
いるんですわ。この学園にも。
王道転校生とやらが。
去年、俺らが1年生の時に編入してきたらしい。本当にもっさもさあたまの瓶底メガネなのか!?と思ったらちょっと違うかった。
なんか、いい感じに変装してる感。
そんなあからさまじゃないけどたぶん本来の姿とは違ぇんだろうなって感じ。ちょっと地味。
それも俺が変装してるだろうって予想してるから分かるんだと思う。
でもまあ性格だの行動だのはもう完全に王道転校生くんでしたね。ウザさもしかり。
つまりこの生徒会長さんも書記さんも、その転校生くんにぞっこんというわけです。いやなんでなんだろうな?傍から見てもだいぶウザいぞあれ…
「迅…もうこれどうしたら良うわすげえ顔」
助けを求めて迅を見るとさっきよりもすげえ顔してた。ちょっと面白い。
迅が大きなため息をつき、口を開く。
「あの、お話なら生徒会室の方でお願いします。ここでは目立ちますので。」
「あぁ?って迅か。お前も来るか?」
何故。迅の顔がもう表現出来ないレベルになってる。
「…いえ、結構です。」
「遠慮しなくていいんですよ?」
「してません。」
食い気味…
というかなんとなーく気づいてたけど、俺これ空気じゃね?
「お前ならいつでも来ていいんだぜ?なんなら生徒会に入るか?」
「いえですから、俺は風紀委員です。なので生徒会には入りませんよ。」
「ッチ、あいつの下についたっていい事ねえだろ。大人しくこっちにしとけ。」
「結構です。」
「はぁ…頑なですねぇ……。」
迅はため息をつきながらどっちが…という顔で書記さんを見ている。
それにしてもこいつらの突っかかり様………はっ!!こ…これはもしや!
俺…やべーことに気づいたかもしれねえ…!
俺は思わず顔を上げ、口元を手で押え、目を見開いて迅を見る。
「…?」
迅が不思議そうな顔をしたが、無視。
これ………………………………………………………………
…こいつが主人公なのでは…!?
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