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そう考えてもおかしくはない。俺は
『定期報告と言ってもあんたスルーしそうだから参考資料として私のお宝たちを送るわね!ちゃんと全部読んで入学までに王道学園のなんたるかを叩き込むのよ!』
という友人の脅s………………命れ…………………教育により、あらゆる境遇の主人公達を見てきた。
迅はいわば、『特待生だが平穏に学園生活を送ろうとしていたはずなのに、何故か生徒会に絡まれるようになって…!?』パターンの非王道主人公ではなかろうか!!!??
いや知らんけど。
どちらにせよ、迅が主人公であれば俺はその友人ポジションに当たるわけだ。
完全に無関係ともいかないが、定期報告する為に情報を仕入れるポジションでありかつメインストーリーに深くは関わらない良きポジションなのでは?大きなフラグさえ立てなければ他の奴らと勝手にやってるだろうし。
俺は大きくうんうんと頷いた。
迅!お前は俺の為に犠牲となるのだ!
心の中で親指をグッと立てて目線だけキランっと迅に向けておいた。沈む時はお前が立てるんだぞ!!!
「千明っちさっきから楽しそぉ。1人で何してんのぉ〜?」
俺の素晴らしい考察と迅への追悼の儀は1人の男によってぶった切られてしまった。
「はいぃ!?…え、と、特になにも……。」
びっくりしたびっくりしたびっくりした
「ふぅ〜ん?それにしても俺がこぉ〜んなに構ってんのにぃ〜、ぜぇんぶ無視するなんてひどぉい!」
またお得意のぷんすこ(笑)顔で俺の腕を掴み、上目遣いをしてくる。やめろお前立ち上がったら俺よりでかいだろ皮肉か。
「はぁ…俺なんかよりももっと喜ぶ人がいるでしょうから、その方々にお願いします。」
「やだぁ。」
でしょうね!!!!!!!!!!
なんで昼飯食いに来ただけでこんなことになるんだよ!!迅!!お前の主人公パワーで俺を巻き込むのやめてもらっていい!?
「まあ残念だが、俺はまだやることがあるからな、先に戻るぞ。」
へえ、会長にはまだ仕事をする意思があるのか。もしやまとも?
「理久斗がそろそろ寂しがるだろうからな。」
何故かドヤ顔で俺たちを見下ろしながら言い、会長様はさっさと歩いていってしまった。
うん。…うん、ちょっとくらい希望を持たせて欲しかった。
「はっ!抜け駆けはさせませんよ!空牙!」
「ん〜じゃあ俺も理久斗っちのところ行〜こおっとぉ!」
それに続いて書記さんも迅の隣から立ち上がり、慌てて会長の後を追いかけて行った。
割とすんなり俺の腕を離し、(客観的に見ればおそらく)可愛らしく「またねぇ〜」と手を振り会計も去っていった。
「……………………嵐かな?」
「嵐の方がマシだ。」
わーお迅さん辛辣(笑)
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