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「あの……先生……?」
前髪掴まれたまま見下ろされてんのちょっと怖いんですけど。
確かに俺の髪の毛毛量多いわ切ってないわでもしゃもしゃしがいあったかもしれないけどさ。やっぱり読みにくいからさ。
「あぁ、いや…お前、寝るなと言っただろうが。」
俺が声をかけると我に返ったのか手を離す。
いや言うの遅くない?何さっきの間。
「スミマセンデシタ。」
「欠片も思ってないだろお前。」
「そんな事ないですよははは。」
「そんな事ないやつは居眠りなんかしねえんだよ。」
あたしマジレスは嫌いよっっっっ!!!!
「数学は耳が受け付けないんですよ。」
「アホ、聞く前に寝ただろうが。数学の授業は変更で今はHRだ。」
「えぇ?」
なんでまた
「はぁ……新入生歓迎会の役割決めだ。」
「あぁ……。」
今年もやるのか………………鬼ごっこ。
この学園は何をとち狂ったのか新入生歓迎会で鬼ごっこをするそうで。
例の友人に言ったら
『当たり前じゃない。王道学園なのよ??』
としれっと返された。解せぬ。
これはただの鬼ごっこじゃなくて、学園の決められた範囲の中で鬼チームと逃げるチームに別れてペアを作るってゲーム。
そしてそのペアはカップルと呼ばれ、2人で学園の外に出かける権利(つまり外出許可証)を貰えるという………
いやまずそんなのがないと自由に外出出来ないっていうクソみたいな制度にツッコませてくれ。
まあ出れたとしても俺にそんな予定は無いがな!!!!うるせえ誰が非リアだ(泣)!!!!
確実にペアを作る必要は無いらしいので俺は去年鬼チームになって空き教室で暇つぶししてた。今年もそうするつもりだ。
「あー、じゃあ俺鬼チームで……」
「お前は寝てたから勝手に決めた。逃げるチームだ。」
「ひぇ!」
何してくれてんだこのホスト野郎!!!!
「ん?なんだ?お前狙ってるやつでも居たのか?」
いや誰しもがあいつらみたいなホモだと思うのやめて頂いてよろしいでしょうか??
「あいつか?北嶋か?」
何故そうなる。
「いえ違います。」
「他に誰かいるのか?」
なんだそのお前他に友達か知り合い居たか?とでも言いたげな顔はてめえこの野郎。
「誰も狙ってないです。」
「あ、そう。」
見るからにつまんねえって顔すんのやめろ
書いてあんだよ、その整った顔によ。
まあ逃げるチームだっつっても、俺を狙うやつなんて居ないだろうしまた空き教室でだらだらしてたらいいか。
考えもまとまったので俺はあくびをし、もう一度眠りにつく。
バシッ
「いてっ」
「寝るなと言ってるだろうが馬鹿。」
このDVホスト教師!!!!!!!
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