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「え……と、取り敢えず、学校に着いた訳なんですけど」
「はい」
「事情を説明してもらってもいいかな?
なるべく分かりやすく」
「分かりました」
彼女は淡々と話し出す。
「桜華澪亜と申します。
本日より、吸血鬼の鬼憑であらせられる來夢様の護衛を勤めさせていただきます」
彼女──澪亜は先程話したことと殆ど同じ内容の言葉を口にする。
「うん、わからない」
「……そうですか」
そう言うや否や澪亜は來夢の腕を掴んで走り出す。
「……っ、お、おい!?」
「無礼は承知です、來夢様」
澪亜は空き教室の一室に入ると鍵を閉める。
「ご無礼をお許しください。
ですが、こうするしか」
澪亜は來夢の首筋へと手を当てる。
刹那、手刀となった澪亜の手が來夢の首筋に突き刺さる。
血が吹き出る。
意識が、闇へと堕ちていく。
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