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「不登校の生徒が、学校に来たくなるような、楽しくて、やりがいのある活動を始めたいです。メンタルをやられた生徒を救うには、人と人との繋がりを深める活動が、必要だと思うんです」
「なんやそれ? 予算なんて、出せるわけ、ないやろ? 誰のための活動って? おまえのクラスの不登校野郎のためか?」
「そうです。北野氏を救いたいと……」
ハハハと、飯塚の高らかに笑った声が、部屋中に響いた。
「ええやん、あんなヤツ、ほっとけば」
「え? し、しかし、会長が配られたプリントに、フォローしてあげなさいと……」
「アホか!? あんなん、オレの本音とちゃうわ。目黒に言われたから、書いただけやん」
「え? で、でも、北野氏がかわいそうで……」
「かわいそうなことあるかい、ドアホ。あいつは、自業自得や」
飯塚は、組んだ足を下ろし、ぐいっと上体を前に乗り出す。
「北野は、一年の時、出しゃばり過ぎて、目立ち過ぎたんや。それがある人の反感を買ってしもたんや」
「えっ? ど、どういうこと……ですか?」
ひょいひょいと、飯塚は、七宮を招き寄せる。
「七面鳥、あいつが不登校になったのはな……」
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