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「オレが、あいつをハメたからだよ」
目の前にある七宮の顔から、血の気が引いていくのがよくわかる。
飯塚は、再びソファにふんぞり返って、悦に浸る。
あの時は、上手くいった。
北野を貶めるために、策を巡らせ、仲間を作って、吹聴して回った。
あのまま放置したら、今頃、生徒会長は北野だったかもしれない。
飯塚には、綿密に立てた人生プランがあった。
いずれ、実家の飯塚財閥(飯塚家ではそう呼んでいる。本店の他、市内にあと二つの店舗を構える老舗和菓子屋)の跡を継ぎ、総裁として指揮を振ることになる。そうであれば、それまでに、それに見合った、輝かしい経歴が必要だと考えた。
その人生プランの第一弾が名門、亰四条高校の生徒会長。
生徒会長になることを目指していた飯塚にとって、同じクラスで人気者だった北野は、非常に厄介な存在だった。
「そ、そんな……」
七宮は絶句して、うなだれた。
「オレも鬼やないから、七面鳥……。北野を救いたきゃ、勝手にやれ。大目に見てやる。ただし、活動費は出せないけどな。ハハハ」
ガバッと、七宮が顔を上げる。
「で、でも、部活動費を公平に、均等に分配するのは、生徒会長の義務のはずです」
「は? 部活動? オマエ、不登校生徒のための活動って、部活動を作りたいって言ってるんか?」
七宮は、口を真一文字につぐんだまま、コクリと頷く。
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