3.正義の生徒会長

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「その部を生徒会で承認して、活動費が欲しいってか?」  再び、七宮がコクリ。 「アホ。部活動費が厳しいの知ってるやろ? 去年も、演劇部を設立したいって申し出あったけど、それも却下されてんだ。そんなの無理にきまってるやろ」 「し、しかし、生徒会長は、部活動の設立を許可する権利がありますゆえ、申請に対して公平に審査するというのも、生徒会長の義務のはずです」  七宮は、左の上腕筋をさすりながら、口をへの字に曲げて、こちらを睨みつけてきた。 「やりたいから、作りますって言ってきたヤツを全部許可してたら、破綻するわ。活動費を配るんやから、そんなに簡単に作られへんことぐらい、わかるやろ」  飯塚は、苛立って、両足をローテーブルの上に投げ出した。  七宮の言い回しが気に喰わない。ふてぶてしい態度も気に喰わない。  というか、そもそも、話題が気に喰わない。  黒縁眼鏡を鼻先に落として、上目使いで見てくる七宮。納得していないのは、一目瞭然だった。眉間と鼻に入ったしわが、ピクピクしている。 「でも、生徒会長には、部の設立を公平に審査するという義務が……」  飯塚はカッとなって立ち上がった。
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