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「えっ? 魂導士を捜してるとかいう話のこと?」
「そ、そうです。それです」
飯塚は、RPGの世界の話をしているのかと思った。
きっと、この人は、ゲームのやりすぎで、バーチャルとリアルの境界がわからなくなってしまったんだろうなと、最初は疑った。
でも、やたら、真剣な表情だし、何度も頭を下げてくるので、少しずつ、話くらいは聞こうかという気になってきている。
スキンヘッドの説明によると、魂導士とは、邪悪な気を鎮めて清め、元通りの状態に戻す人のことをいうらしい。
「特製パフェ、おまたせしましたー」
ウエイトレスが、フルーツがたっぷりとのったパフェを、咲の前に置いた。
「うあわぁ、想像通りやん。おいしそう」
飯塚は、咲の子供のような振る舞いが、可笑しくて、クスっと笑った。
「先ほども言いましたけど、亰四条高校は、今、これまでに感じたことのないほど、強い妖気や邪気が漂っています」
太い眉をひそめたスキンヘッドの、日本人離れした顔は、圧がスゴイ……。
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