3.正義の生徒会長

15/26
前へ
/131ページ
次へ
「えっ? 魂導士(こんどうし)を捜してるとかいう話のこと?」 「そ、そうです。それです」  飯塚は、RPGの世界の話をしているのかと思った。  きっと、この人は、ゲームのやりすぎで、バーチャルとリアルの境界がわからなくなってしまったんだろうなと、最初は疑った。  でも、やたら、真剣な表情だし、何度も頭を下げてくるので、少しずつ、話くらいは聞こうかという気になってきている。  スキンヘッドの説明によると、魂導士(こんどうし)とは、邪悪な気を鎮めて清め、元通りの状態に戻す人のことをいうらしい。 「特製パフェ、おまたせしましたー」  ウエイトレスが、フルーツがたっぷりとのったパフェを、咲の前に置いた。 「うあわぁ、想像通りやん。おいしそう」  飯塚は、咲の子供のような振る舞いが、可笑しくて、クスっと笑った。 「先ほども言いましたけど、亰四条高校は、今、これまでに感じたことのないほど、強い妖気や邪気が漂っています」  太い眉をひそめたスキンヘッドの、日本人離れした顔は、圧がスゴイ……。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加