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「誰かが、それらを払拭しなければなりません」
「そ、それをすんのが、オレらなの? おじさんがやってくれればいいんやないん? お祓いみたいなことでしょ?」
「お祓いではありません。退治です」
「退治?」
咲は、一心不乱にパフェを食べている。こっちの会話を聞いているようには思えない。
「妖気は、妖怪となり、邪気は怪人となって出現するでしょう。それらは悪霊です。退治をせねばならないのです」
「よ、妖怪に、怪人……悪霊……」
さっき、窓から見たスマホ人間のことが、飯塚の頭をよぎる。
やたらとリアルなスマートフォンの造形と、トカゲのような手……。
「そ、それって、もう、出現してたりします?」
飯塚の問いに、スキンヘッドの男は腕を組んで考えた後、ゆっくりとアゴを引いた。
「もう、現れてしまっているかも、しれません」
(げっ!? や、やっぱり?)
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