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「ずっと、部活動中のあなたを観察していましたが、あなたなら、大丈夫です。あなたは強いオーラで守られていて、魂導士特有の桃花眼を持っています」
「トウカガン?」
「はい、桃花眼とは、まつ毛が長くて、切れ長の二重で、白目部分が薄いピンク色になっている目のことです。この目の人は、妖怪や怪人の心が読めて、悪霊退治に向いていると言われています」
飯塚は、咲の顔を覗きこんだ。確かに、咲はスキンヘッドが説明したような目をしている。
ポッ。
(いかん、いかん)と、すぐに視線を外す。
「私の目に、狂いはありません! あなたは、魂導士になるべくして、産まれてきた人なのです」
スキンヘッドの男が、上から咲を指さした。
咲は、わなわなと唇を震わしている。
……でも。
飯塚の脳裏に、ふと、疑問が湧く。
「オ、オレは? 魂導士って、咲だけ?」
「あ」
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