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スキンヘッドは、やや固まって、何かを考えていたようだが、やがて、飯塚の方に顔を向けた。
「あ、あなたもです。さっき見て、直感が働きました」
「ちょ、直感!? ど、どこが? どこ見て、そう思ったんすか?」
「そ……そ、それは……」
口をへの字にしたまま、仁王立ちのスキンヘッド。しばらくの沈黙のあと、おもむろに口を開く。
「こ……こ、ここで、言ってもいいんですか? 大丈夫ですか? 彼女の前で……」
「え?」
飯塚の中の、エンジェルトキちゃんが、「ダメ。きっと、ダークのことだよ」とアラートを上げた。
「あ、じゃあ、教えてもらわなくていいです。聞きません」
飯塚と咲は、スキンヘッドの男から、魂導士の役割と心得を聞かされた。
そして、束になったお札を渡される。
「なんですか、コレ?」
「魔除けのお札です。妖怪や、怪人の怒りを鎮めて、落ち着かせたら、最後に、それを奴らに貼ってください。それで、悪霊退治ができます」
「ふーん……なるほど……」
飯塚は、お札をしげしげと眺めたが、達筆すぎて、なんて書かれているか読めない。
「ちなみに、これ、なんて書いてあるんすか?」
「あ……あぁ……」
「あぁ……そこには、『悪霊退散』って、書かれています」
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