3.正義の生徒会長

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「いや。その。この時は……」  飯塚が、どこから説明しようかとアタフタしていると、香川が口を開く。 「生徒会長は、モテるから、ストーカーの女子生徒にでも、盗撮されちゃったんですか?」 「せやから、違うって……」 「斗基(とき)ちゃんっ! ヤバい、ヤバいよ!」  慌てた様子の咲が、駆け寄ってくる。 「あ、亜衣もいたんや……」 「どうしたん咲? そんなに焦った顔して」  香川亜衣が咲に話しかけたが、咲は香川を通りこして、飯塚の袖を掴んできた。 「こ、これ見てよ。そこら中に、こんなん貼られてたんやけど……」  咲は、ポケットから何枚もの写真を取り出して、押し付けてくる。  見ると、どの写真も掲示板から剥がしたものと同じ写真だった。  ただ、書かれている字だけが異なっている。 『恋人同士』『生徒会長モテモテ』『スクープ』『亰四条高のベストカップル』 「ひ、ひどすぎるよ……これ……。誰のしわざなんやろ……」 「こ、これが……。災い?」  飯塚は、この写真が、昨日スマートフォンの怪人が焚いたフラッシュの瞬間であると確信していた。  あの時、怪人は、実際に、写真を撮ったのだ。
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