5人が本棚に入れています
本棚に追加
「いや。その。この時は……」
飯塚が、どこから説明しようかとアタフタしていると、香川が口を開く。
「生徒会長は、モテるから、ストーカーの女子生徒にでも、盗撮されちゃったんですか?」
「せやから、違うって……」
「斗基ちゃんっ! ヤバい、ヤバいよ!」
慌てた様子の咲が、駆け寄ってくる。
「あ、亜衣もいたんや……」
「どうしたん咲? そんなに焦った顔して」
香川亜衣が咲に話しかけたが、咲は香川を通りこして、飯塚の袖を掴んできた。
「こ、これ見てよ。そこら中に、こんなん貼られてたんやけど……」
咲は、ポケットから何枚もの写真を取り出して、押し付けてくる。
見ると、どの写真も掲示板から剥がしたものと同じ写真だった。
ただ、書かれている字だけが異なっている。
『恋人同士』『生徒会長モテモテ』『スクープ』『亰四条高のベストカップル』
「ひ、ひどすぎるよ……これ……。誰のしわざなんやろ……」
「こ、これが……。災い?」
飯塚は、この写真が、昨日スマートフォンの怪人が焚いたフラッシュの瞬間であると確信していた。
あの時、怪人は、実際に、写真を撮ったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!