3.正義の生徒会長

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 咲は、ハンカチで目頭を押さえ、泣いていた。  飯塚は、自分の考えを咲に話す。 「これは、スマホ怪人の仕業だよ。チンケなイタズラのようやけど、このアングル……間違いない」 「誰それ? 生徒会長のストーカーやなくて?」  香川亜衣が口を挟んできた。  飯塚は、隠すことでもないと考え、昨日の顛末を香川に話した。  生徒会室で咲と二人でいる時、大雨の中に、スマホ怪人が現れ、写真を撮られたこと。  バス停で、スキンヘッドのおじさんに出会い、亰四条高に、邪悪な気が漂っていると言われたこと。  そのスキンヘッドに、魂導士(こんどうし)を託されたこと。  香川は、飯塚が話を終える前から、どんどん表情が険しくなって、ついには、親指の爪を噛み、歯ぎしりしだした。 「か、香川さん? ど、どうした?」 「そ、それって……」  香川は、親指の爪を噛み切ったようで、口から指を離した。 「……鴨川の笛吹き男の事件と、同じやないの……」 「鴨川の笛吹き男?」
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