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「魂導士!? そ、その当時もおったんや……」
「うん」
突然、咲が、興奮したように、香川の両肩にすがりつく。
「で、でも、どうやって、救ったん? 当時の魂導士は、妖怪や怪人に何をしたん? 亜衣は、知ってるん? 知ってるなら教えて!」
「妖怪や、怪人にされた子らは、魂導士に諭されて、怒りを鎮めたんだって。それで、最後に、体にお札を貼られたら、元の人間の姿に無事戻ったっていう話よ」
「な、なんやてっ!?」
飯塚は、思いがけずクリティカルな情報を得られて、腹の底から、嬉しさがこみ上げてきた。
咲は、香川の肩をつかんだまま固まっている。きっと、咲も飯塚と同じ心境に違いない。
「実は、わたしも当時、いじめられっ子だったけど、連れ去られなかった」
「えっ? な、なにそれ?」
飯塚は、香川の意外な話の展開に、思わず聞き返していた。
「実は、うちのパパが、その魂導士の一人だったの」
「え? そ、そういうことか。それで、香川さんは、当時の事件に詳しいんや」
香川は、苦笑しつつ、コクリとした。
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