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「パパは、うちの玄関にお札を貼って、悪霊が入ってこれないようにしてくれたの。だから、わたしは連れ去られずに済んだんだと思う……」
「ス、スゲエ……。お札の効力は、絶大やねんな」
香川は、何かを思い出したように、ブレザーのポケットの辺りをまさぐりだした。
「そうだ、お札、持ってるわ。これ、これよ」
飯塚は、香川から二つ折りの紙を受け取る。
開けると、それは、昨日スキンヘッドからもらった悪霊退散のお札と瓜二つだった。
飯塚は、香川にそれを返し、リュックを下ろして、中から紙の束を取り出す。
「こ、これ……」
香川に見せると、香川は、両手で口を塞いだ。
「うちに貼ってあったお札と、ま、全く、一緒やん……」
飯塚は、自然と口角が上がる。お札の絶大な効力を聞けて、俄然、やれそうな気がしてきた。
(香川さん……グッジョブ!)
「よかったですね、生徒会長……じゃなくて、新しい、魂導士さん。そのお札で、学校を救ってくださいね」
そう言って微笑む香川亜衣が、女神のように見えた。
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