第3話 1人の男

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(うわ、こんな時間に人がいる…俺とおんなじ心霊マニアか?それとも自殺しに来た人なのか?) ライトを消すと息を潜め人影を目で追う。 とてもゆっくりな動きで、じわじわとこちらに近付いてるように見える。 (こっちの存在に気付いて近付いて来てるのか?え、こえーよどうしよ)   男の手に力が入る。 男は人影から視線を逸らせられない。 (ん?人影の動きが止まった?) 人影は暫く立ち止まったまま動かない。 (こっちに来るな…あっちへ行け) 男の願いが通じたのか人影は踵を返すとゆっくりゆっくりと男から遠ざかっていく。   (はぁ…助かった) と思ったのも束の間、男は木の枝を踏んでしまう。 「パキン…」 (…ッ!?し、しまった) 人影の動きが止まる。 人影はゆっくりと振り返る。 ーーーガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサかガサガサガサガサガサガサ 先程までゆっくり動いていた人影が物凄い速さでこちらに向かってくる。 「うわーーー」 男は叫びながら全速で逃げる
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