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ダニーの墓参りを済ませると、2人は決まっていつものBARに向かう。
見た目はかなり年季の入ったお店だが、店の中はとても賑やかで、2人はその雰囲気を気に入っている。
「墓参りでしんみりしちゃってるから、やっぱこのお店に来ないといつもの自分に戻れねーな」
マイケルは笑いながらそう言うとカウンター席に向かう。
「また言ってるよ。それ言うの止めなって言ってるのに」
「それぐらいの冗談言ってないとやってらんねーよ」
2人の間に暫くの沈黙が続く。
20年の月日が経ったとは言え、あの時に負った傷は深く大きく癒えきれてなどいない。
「お前ら久しぶりだな。お前らの顔見ると1年経ったんだなって思うわー」
空気の読めないマスターが話しかける。
「今日はダニーの20回忌だったんですよ。ここに来るのも今日で10回目ぐらいかな?」
「もうそんな経つのか。月日が流れるのは早いねー注文はいつものあれでいいかい?」
「いつものあれでお願いします」
そう言うとマイケルは席に座った。
「最近はどうなんだジャック?仕事とか上手いこといってんのか?」
「あぁ相変わらず上手いことやってるよ。ただ去年母が亡くなったから色々とバタバタしたけどな」
ジャックは少し寂しげな表情を浮かべる。
「まだジャックのお母さん若かったのにな。」
「まあ病気患ってたからな。あの時はかなり落ち込んでいたけど、今はだいぶ心の整理もついたよ」
「あの事件があってから、俺も家族亡くして、お前の母さんに20歳になるまで面倒見てもらったからな。」
「再来月、母の1回忌だから、その時は連絡するよ。」
「はい、いつものカクテルだよ」
2人の前にsky blue色のカクテルが置かれる。
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