第1話 静かなる復活

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ダニーの墓参りを済ませると、2人は決まっていつものBARに向かう。 見た目はかなり年季の入ったお店だが、店の中はとても賑やかで、2人はその雰囲気を気に入っている。 「墓参りでしんみりしちゃってるから、やっぱこのお店に来ないといつもの自分に戻れねーな」 マイケルは笑いながらそう言うとカウンター席に向かう。 「また言ってるよ。それ言うの止めなって言ってるのに」 「それぐらいの冗談言ってないとやってらんねーよ」 2人の間に暫くの沈黙が続く。 20年の月日が経ったとは言え、あの時に負った傷は深く大きく癒えきれてなどいない。 「お前ら久しぶりだな。お前らの顔見ると1年経ったんだなって思うわー」 空気の読めないマスターが話しかける。 「今日はダニーの20回忌だったんですよ。ここに来るのも今日で10回目ぐらいかな?」 「もうそんな経つのか。月日が流れるのは早いねー注文はいつものあれでいいかい?」 「いつものあれでお願いします」 そう言うとマイケルは席に座った。 「最近はどうなんだジャック?仕事とか上手いこといってんのか?」 「あぁ相変わらず上手いことやってるよ。ただ去年母が亡くなったから色々とバタバタしたけどな」 ジャックは少し寂しげな表情を浮かべる。 「まだジャックのお母さん若かったのにな。」 「まあ病気患ってたからな。あの時はかなり落ち込んでいたけど、今はだいぶ心の整理もついたよ」 「あの事件があってから、俺も家族亡くして、お前の母さんに20歳になるまで面倒見てもらったからな。」 「再来月、母の1回忌だから、その時は連絡するよ。」 「はい、いつものカクテルだよ」 2人の前にsky blue色のカクテルが置かれる。
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