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潜入調査をしているのなら、髪型を変えているはず。聞き出すきっかけはもう少し【白い鳥】の内部情報を知る必要がある。
「白鳥さん、ここは出入りは自由ですよね?」
同じくらいの高さの家々が建ち並ぶ、表札には【白鳥】の文字で統一されている。一軒一軒尋ね歩くのはリスクが大きすぎる。
「どうしてそのようなことを聞くのです?」
白鳥が先頭を歩き建て一列になって向かう私たちの家は小さな一軒家。
すでに表札が掲げられている。私の後ろからついてくるきなこは、拍手を送り続けている住人に会釈中。
「買い物に出掛けなければなりませんし。激安スーパーにはここから遠い場所にあるので、お尋ねしました」
私たち姉妹は、住んでいたアパートの家賃が払えずに、さ迷ってきた。知ったのは都立図書館のパソコンにての流れ。
「ご心配なさらずに、白い鳥の住人はみな家族。足りなくなったら、分けてもらえばいいのよ」
出入りは自由ではないよう。門構えの白い鳥2羽の目元に小型カメラが仕組まれていると見ていいだろう。
「もし、ここから出たくなったら?」
目的地の場所に到着すると、門構えの鳥が一斉に鳴き始める。
ぽっぽー ぽっぽー
ぽっぽー ぽっぽー
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