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🦸♀️1話 White bird🦸♀️
木造二階建ての一軒家。私のそばには、ウサギが大好きなみやびがいる。ツインテールがお気に入り、ガーリーなお洋服がよく似合う。
【見るな!!】
可愛いけれど、毒舌なのは今知ったこと。見るなと言われても、一緒に暮らしているので無理な話。みやびの母親が事件を解決するまでの期間付きの親子関係を継続中。
「わかりました」
幼馴染の水島から言われてしまったら、断れないのは彼に片想い中だから。家族公認で友達よりか、兄妹みたいな心境に近い。
同じ歳の幼馴染は警視庁の総務課に勤務している。熱い熱い正義感があっても、行動に移していた私と、一歩引いて冷静な判断をしていた水島。ちなみに私は、警官の道ではなく別の道に進んでいる。
【早く悪い奴ら捕まえろ】
子供用の椅子から下りてきたみやびが駆け寄り、ボードに文字を書いて指差す。保育園に通う年長組。薄々母親の仕事を理解し始める頃、彼女には決して言わずに母親が消息を絶った。
『大月さんは予感がしていたんだろう』
水島がどこか寂しげに話していた顔を思い出す。みやびとの親子関係はない、大月との関係性を聞かないまま引き受けている。みやびはスライドさせて文字を消し、またペンを動かす。
【みやびに隠してることあるだろ?】
みやびにはお見通しとばかりにニヤリと笑う。察しがいいのは大月から勉強したのかな?
「ヒーロのお仕事しているだけ」
ヒーロのお仕事とは、ボランティアとして情報提供をしている私が所属する“かめさんチーム”は芸能事務所を主な仕事とし、影では潜入調査をする変わっている事務所。
【母が来たら、大事な話を水島に伝える】
大月と水島の関係が親しいとの話しはみやびから、聞かされ続けている。この関係性は一時的、告白しなくて良かったと思う私と、まだ知らぬ大月に嫉妬している私がいる。
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