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登園の人たちの視線を受けるのは慣れている。私が園児の頃と変わらない視線。
「みやびちゃん、またシッターさん代わった?」
「大人びすぎて辞めてく人多いんですって」
保護者同士のこそこそ声にも顔色1つ変えないみやび。私たちの関係性は偽りだらけ、自転車に降ろしたみやびは、渋々片手を差し出したのを知るわけがない。
「おはようございます。みやびさん」
「おはようございます。先生」
園にいるときのみやびは、礼儀正しく女の子の中心的存在。手を離してすぐに、友達が近づいてくる。家でもその態度を維持してもらいたいくらい。
「おはようございます。大月みやびのシッターでエマ・マイケルです」
保育士さんは軽く会釈をしたあと、話があるのでと私を面談室へと案内していく。
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