鬼の髷はどこに消えたか

1/8
前へ
/8ページ
次へ
 慶応四年。四月二十五日。  一人の男が斬首に処せられた。  これはその時の逸話である。  男を斬った首斬役人はのちに同僚にこう語っていたという。自分が刀を振り上げ、振り下ろすその瞬間まで、ずっとーー。 「黒猫が、見ていた」と。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加