或る男の日記

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或る男の日記

今日は月曜日だ。 数ある趣味の一つとして、これから日記を書いていこうと思う。 と言っても、特に書くテーマはない。 私にとっての事件も起きない、至極平穏な日々が続いている。 それでも、書き始めたのだから一日の流れでも書いていこうと思う。 朝、5時に起床して近所を散歩する。 体力に余裕があるときは、時折走ってみたりする。 高負荷トレーニングの一つだ。 疲れたら、近所の公園で休憩する。 たまに、朝早くから同じように散歩をしている老夫婦と喋ったりしつつ。 家に帰ったら手を洗い、うがいをする。 体力をつけるのも必要だが、まずは健康第一だ。 それから、出勤の準備をして家を出る。 仕事の内容は……まあ書かなくていいだろう。 特筆すべきものもない、ただのサラリーマンだ。 日々の楽しみは昼食にある。 食の好みはない。コンビニでも、飲食店でも、弁当でも何でも食べる。 独り身ゆえに、気楽でいい。 会社の同僚も、そんな自由自在な俺を半ば呆れて見守っているのは笑い話としておこう。 仕事が終わり、家に帰れば晴れて自由時間だ。 食と違い、趣味は一つに絞っている。 それは、パズルだ。 パズルといっても、ジグソーパズルという種類が特に好きだ。 不定形なピース一つ一つを、綺麗な一枚絵へと導いていく気持ちは途轍もなく好ましい時間だ。 時には、没頭しすぎて朝になってる、なんてこともある。 勿論、平日ではそんなことできない。 それほどまでに集中できるのは翌日が休日の時だけだ。 とはいえ、それも最近は少なくなっているように思える。 パズルに飽きてきたのだろうか……? 思えば、幼少期の頃から好きだったというわけではない。 社会人になってできた暇な時間を埋めるために、パズルの空白を埋めているだけだ。 今更になって、自分の趣味が寂しい物だと思ってしまった。 それでも、パズルは好きだ。 だから、回りくどい道を選ぶことにした。 こうして日記を書くことで、自分を見つめ直すことができるだろう。 その過程で、新しい趣味が見つかるかもしれない。 その趣味が長続きせず、パズルに戻って来るという計画だ。 やはり、自分はパズルが好きだということを再確認したいがための、無駄な道筋だ。 急がば回れともいう。 どうせ、何をしても咎められない。 なら、好きにやるだけだ。 そろそろ眠くなってきたので、このあたりで今日は筆を置こう。 また、明日も平穏な日々が続きますように。
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