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プロローグ
妻の父が腰を痛め、県外の実家に世話をしなくてはいけなくなり、私は息子とともに母のいる実家にお世話になることになった。
父に先立たれ、寂しく思っていた母は孫の訪問を非常に歓待してくれてた。しかしながら急な来訪ということもあり、おむつの予備を探すため夜中、車を走らせていた。
「とらくん、死んじゃった…」
買い物を終えた私に、鈍器で殴られたような衝撃的な訃報が来た。
「とら」は私たち家族の飼い猫であり、家族である。
前足をそろえて穏やかに寝ている姿がとても愛らしい、家族である。
今年で御年15歳を超え、食事も一時、とらないほどに弱っていたが最近は少し元気をとり戻していた。
まさかの連絡に私は気持ちの整理がつかないまま、すぐに自宅へと車を走らせた。
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