* にゃんころじー・わーるど *

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* にゃんころじー・わーるど *

*** 地球は持続化可能なエネルギーを求めてる。 そんな中、目を付けられたパワーこそ『にゃんころじー』。 言わずと知れた可愛い生き物。 学名をフェリス・シルヴェストリス・カトゥス。 通称にゃんこと呼ばれている所謂ネコのことである。 彼らは愛くるしさで人類に生きる喜びという名の燃え(萌え)と、癒しと言う名のぬくもりを与える存在として、絶大な萌えパワーが重宝、保護され続けている。 *** 「って、設定。結構イケると思わない?」 「却下。無理なものは無理」 「ええええー、良いと思ったんだけどなあ」 「いや、素直にミネコの想像力には恐れ入ったよ?」 「恐れ入らなくていいのー! 私はネコを飼いたかっただけなのー!」 動物好きの妹・ミネコがペットを飼いたいと両親に直訴する光景は日常茶飯事。とは言え、あまりにもぶっ飛んだ設定を臆面もなく語る様子を目の当たりにした日には兄の方が気恥ずかしい。 「何、日曜日の朝からアホなこと言ってんだよ。ミネコは……」 しかし、ずっと凝りずに訴える妹の根性もなかなかだと思う。転勤族でペットと過ごせると確約できない環境である限り、無責任なことを一番嫌う両親が許可など絶対に出さないだろう。そもそも……。 「(我が家には既に我が儘なミがいるんだけどなあ)」 なんて、思いながらミネコ節を聞いているのは、きっと俺だけではないだろう。だって、ダメ出しをしている両親のミネコを見つめる瞳がミネコが他所様のネコに向ける愛情たっぷりのまなざしとそっくりなのだから。 【Fin.】
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