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「そうか…少し調べてみるか。」 「一応、現在までに分かっていることをまとめた資料を副社長のフォルダに入れさせていただきました。」 「ありがとう。それでこの件は…」 「あまり広めたくないので、他には話していません。」 「ありがとう。それじゃ通常業務の合間に対処するから手伝ってくれ。もちろん…」 「かしこまりました。お礼は俺のポケットマネーですか?正規の残業代だけで大丈夫です。」 涼平が苦笑した。 そして美鈴と涼平の長い10日間が始まった。 本来の副社長としての業務に加え、社長の留守居役だけでも業務量が多いのに、K's設備の噂が広まったり悪い方に転ぶ前に芽を摘みたいという気持ちから毎日終電まで残ってふたりで情報収集と対策を練っていた。 「副社長って、思っていた以上に仕事が出来る方だったんですね。」 途中、休憩がてら買ってきたコンビニのおにぎりをふたりで分け合い食べている時、つい思っていた事が口をついて出てしまう。 「美鈴の俺の評価って、めっちゃくちゃ低いんだな。」 「悪かったですね…」 「まぁその分、ちょっとの事で見直したとか思ってもらえるのは、ラッキーか。」 「随分とポジティブですね。」 「それに本気になれば一途に大事にするぞ。」 「はい、はい。一途になれる相手が地球上にいるといいですね。」 そう言いながらもなんとなくモヤモヤして落ち着かない美鈴だった。
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