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次に目が覚めたときには室内は、すっかり明るくなっており涼平の姿はいなかった。
身につけるものを探すと涼平のものらしきTシャツとハーフパンツがサイドテーブルに置かれている。
美鈴は下着がないが背に腹はかえられぬとそのまま履き、涼平を探して寝室を出てみた。
リビングの窓から外の芝生が見え、確かに広そうではあるがタワマンの高層階でない事を意外に思う。
「起きたのか。」
背中からかけられた声に少し驚いて、涼平を探していた事を思い出し慌てて振り返った。
「お…はよ…ございます…」
「メシできたけど、食えるか?」
「え、あ、……」
それより聞きたい事があると言うつもりだったのに先にグーっとお腹が返事をしてしまう。
「話はメシの後な。」
後ろに回り込み美鈴の肩を押しながら、くすくす笑う涼平に導かれ、ダイニングテーブルに着くとフレンチトースト、サラダ、ベーコンエッグ、ヨーグルト、オレンジジュースが並んでいる。
「これ、副社長が?」
「焼いただけ、ちぎっただけ、よそっただけ。凝ったものは作れないけど、このくらいはするよ。」
「「いただきます。」」
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