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涼平の唇が離れるまでの時間は数秒だったはずだが、美鈴には永遠にも思えた。
目を開けて涼平を見た時、何か言おうとしていたはずなのにいつものようにポンポンと言葉が出てこない。
涼平の熱っぽい眼差しに身体が縫いとめられたようで身動きが出来なかった。
「美鈴…お前の事が好きなんだ。俺のものにならないか。」
「だ、誰があなたのものになるもんですか。私はちゃんと対等なパートナーになりたいんです。庇護されるだけなんて、真っ平ごめんです。」
涼平がきょとんとして、美鈴を見ていた。
「……副社長?」
「美鈴、それって俺のものになるのは嫌だけど、対等なパートナーならいいってこと?」
「そ、そうですね…あ、別にそうとは…。」
自分で何を言ったのか涼平の問いかけで、初めて気がついた。
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