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……お母さま、びっくりしてますよ。って言うか私もびっくりだわ。 私と付き合う話…いや、途中からプロポーズになってたなぁ…から何時間も経ってないのに話が飛びすぎじゃない。この人の中では時間の流れがちがうのか。 いくら即断即決、うちの会社のNo. 1営業の副社長とは言え、スピードについていくのが大変だわ…… しかしそんな事をこの場で言う訳にもいかず、美鈴はいつもの秘書スマイルで丁寧に頭を下げた。 「はじめまして。笠井美鈴と申します。よろしくお願いいたします。」 「美鈴さんね。こんなところじゃなんだから、上がってちょうだい。」 涼平の母に案内されたリビングには、新聞を手にこちらを見て驚く涼平さんによく似た男性…おそらく涼平の父と思われる男性がいた。 「あなた、涼平がお嫁さんを連れて来たわよ。」 「彼女じゃなくて嫁さんか?」 「そう。プロポーズした。」 「美鈴さんの家には?」 「まだ……」 涼平と父の間で業務確認のようなやりとりが行われているのをつい秘書の時のように眺めていた美鈴は、母がお茶の支度をするために立ち上がるのに気付き、慌てて後を追った。
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