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~坂本side~ 次の日、東が亡くなったことを聞かされた。 ぽろりと涙が1つ2つと頬を流れていく。 人は本当に悲しいと、静かに泣くんだってこの時に初めて知った。 家に帰ってから部屋にこもって一日中泣いて。それでも、この穴の開いたような感覚は治らなくて………。 俺は三週間ほどずっとぼーとして過ごしていた。 あいつの葬儀は親族や仲のよかった友達で行われ、皆それぞれ思いを涙に返え、坂本の棺の中に花や物を入れて送り出した。 綺麗な顔をしてあいつは棺桶の中に横たわっていて、それが俺には耐えられなかった。 まるで直ぐに目を覚まして、俺に笑いかけてくれるんじゃないかって、そう思ってしまうんだ。 「結局…言えなかったな……」 俺はおまえに好きだって一回も言えてない…。 なんで、言えなかったんだろう。 なんで、もっと抱きしめてやれなかったんだろ。 なんで、もっと話をすることができなかったんだろ。 なんで………なんで… 「なんでなんだよっ…!!」 近くにあった壁をこの重い気持ちを振り払うように殴りつけた。 出かけるって約束も…守れなかった。 俺は…これからあいつ無しで生きていけるのか? これからの人性が途方もなく長く感じられて、俺は東の顔を思い浮かべてまた泣いた。 「好きだ……好きだったんだ…お前のこと本当に大好きだったんだ。」 愛してた……夕陽。 どうして…この一言が言えなかったんだ……。
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