彼のためにできること

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「休憩行ってきたらどうですか?少し息抜きをした方が仕事の効率も上がりますし……」  確かにその通りだけど、いいのか? 「心配しなくて良いですよ。仕事さえちゃんとやってれば、たまにの休憩くらい、なんとも言われませんし。知らないうちにみんな行っています。俺も定時の休憩以外行く時あるんで……」  そうなのか。それは知らなかった。 「葉月さんもたまにはいいんじゃないですか?」  みんな行っているなら……。 「じゃあ、すみません。お言葉に甘えて少し外の空気吸ってきます。10分くらい」 「はい、どうぞ」  自席を立ち、外へ向かう。ブースから出て、背伸びをする。出雲くんに助けられた。  あぁ、悠は何をしてるんだろうな。  そんなことを思って廊下を見ると、悠がもう一人の社員と肩を並べながら歩いているのが見えた。  なんか、顔色悪くないか?  それに、なんか痩せた気がする。  近くに行ったら怒るだろうか。  悠を近くで見るために、後ろ姿を追った。  なんか、フラフラしている気がするし……。  疲れてんのか?  心配になって駆け足で後ろから近寄った時だった。  悠がフラッと倒れそうになった。  思わず 「悠!!」  間一髪のところで背中を支える。  倒れて、頭を打たなくて良かった。  とりあえず、背中を支えながらゆっくりと床に座らせる。 「っ……!壮馬……?」  俺のこと名前で呼ぶほど、意識が朦朧としている。  俺もつい名前で呼んじゃったけど。  顔色が悪い。真っ青だ。  そして俺と会った時よりやっぱり痩せている気がする。 「どうした?具合悪いのか?」  俺は悠に話しかけてしまった。
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