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「悠に会いたい」
ずっと毎日心の中で願った。
俺の部屋の悠がよく座っていた場所、一緒に遊んだゲーム、一緒に読んだ漫画を見ると、心が締め付けられる。
脳裏には死んだわけでもないのに、彼の笑顔が離れない。
俺は、こんなにも彼のことが大切だったんだって居なくなって初めて気づいた。
そしてこの感情は「恋愛感情」ではないのか?
自問自答する毎日。
彼のことを気持ち悪いと思ったことはない。ただ他人の目が気になった。 彼自身から聞いたわけではなかったし。
かと言ってもう終わってしまった過去は取り戻すことができない。
もしもまた彼に会うことができたら「謝ろう」って思い続けていた。
ーーーー…ーーー
お酒も少し身体に回ってきた頃。
酒の力を借りないと言えそうになかった俺は、いつ悠に過去のことを謝ろうかとチャンスを伺っていた。
昔の思い出を話し、彼も笑ってくれるようになった。今なら言えるかもしれない。
そう思い
「悠ー?」
声をかけた時だった。
彼の携帯が鳴った。
あぁ、タイミング悪い。
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