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待合室で待っている間、自分でも会社に電話をかけ部長に報告をした。
<お疲れ様です。詳細がわかったらまた連絡してください>
「はい。わかりました」
電話を切る。
「一緒に乗って来られた会社の方、ちょっと良いですか?」
「はい」
看護師に呼ばれ、医者から説明を受ける。
「特に大きな病気ではありません。睡眠不足。あと、食事もあまり摂れてなかったようですね。まぁ、過労でしょう。今点滴を打っています。入院する必要はありませんので、今日帰宅できますよ。ただしばらく安静に。ご家族に連絡が取れたので、今日はご家族が迎えに来るそうです」
良かった、と言っていいのだろうか。
あいつ、相当無理してたんだな。
悠がいる病室に行き、面会をする。
目を閉じていた悠は、俺が近くに行くと気づいたようで目を開けてくれた。
「ありがとう。迷惑かけてごめん」
今にも消えてしまいそうなか細い声だった。
「迷惑とか、そんなこと考えるな。良かったな。入院する必要ないって。帰れるぞ」
「うん」
悠はあまり嬉しくなさそうだった。
「無理しすぎなんだよ……。って言っても、誰も頼りにならないのがいけないよな。力になれなくて、ごめん」
「そんなことない……。俺は……」
その時――。
「天宮さん!!」
若い女性の声がした。
振り返ると
「天宮さん、大丈夫ですか!?」
勢いよく、悠にかけよる若い女の子。
俺たちと同い年か?それより年下?
もう一人、母親らしき人物がこちらを見ていた。慌ててお辞儀をする。
「お世話になりました。あとは家族と悠の婚約者が面倒を見ますので……。ありがとうございました」
この人が悠の婚約者。黒い長髪、身長も高くスラっとした体型、あまり顔は見えなかったが綺麗な人だなと思った。
「いえ。お大事にしてください。失礼します」
当たり前だけど、悠とあまり話ができなかったな。途中で会話が途切れてしまったし。
悠をチラッと見る。婚約者が一生懸命話しているが、表情は変わらず暗いままだった。
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