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先生が教室から出ると直で美加ちゃんの机まで走った。
「美加ちゃん‼」
「どしたの雪」
「引っ越すって本当?」
問いにさばさばした感じで
「そう、北海道札幌。この学校からは卒業」
とあっさり言われたので、とうとう涙が溢れ出てきた。
「大学も一緒に行こうって言ったじゃない!」
他のクラスメイトも私が泣いているのを見て集まってきた様子を見て美加がだるそうに言った。
「周りから注目されるから泣かないでくれる?」
私は言われるがままに私の机にふらつきながら戻り、そのまま突っ伏した。
そして考えた。最近美加の様子がどうもおかしいってことに。
冷たかったり、よそよそしかったり、とにかくここ何か月かは、そんな態度だった。
そこにきて引っ越し話である。本当どうしちゃったんだろう。
お昼前の4時限が終わり、意を決して美加ちゃんに訊ねた。
「屋上で…話したい。いい?」
美加ちゃんは明らかに面倒臭い様子で
「早く終わらしてよね」
屋上に行くと爽やかな風が迎えてくれた。屋上に2人。美加ちゃんは言った。
「そんで何?」
「なんでそんな遠い所行くの?ここ鳥取だよ?どうして…」
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