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真に彼女ができた。
明るくて世話好きなサッカー部のマネージャーだ。
良かったと思う反面、自分だったら絶対付き合わないなと思ってしまう。
別れたら部活がやりにくくなるだろう。
先の事や悪い事を考えないのが彼の良い所だ。羨ましい。
誰かが、自分達の事を月と太陽に例えた。
もちろん、真が太陽だ。
僕は、静かに夜を照らす月だ。
「真、これ…優に渡してくれ。」
紙袋を乱暴に突き出した。
恥ずかしかった。
『あ、ヤバ、今日は優の誕生日か?
俺何も準備してねぇ。』
今日は、優の12才の誕生日だ。
毎年、リンツのチョコレートをプレゼントしてる。
僕の母親が好きで時々買っているから、頼みやすい。
女の子の好きな物なんて分からない。
『じゃ、ケーキ買って帰るわ!親父とバァちゃんにラインしないと…』
「あぁ、じゃな。」
色々、聞きたい事があるけど聞かない。
今、優はどうしてるとか?
大きくなった?
綺麗になった?
去年、会った時はまだ幼い小学生だった。背も小さめで痩せていた。
ちゃんと食べているか心配だった。
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