第一話 離婚しましょう

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第一話 離婚しましょう

世間一般的に言われる私たちの〝愛の巣“は、モダンな黒と白のインテリアで統一されている。 昼食後、彼がいれてくれた紅茶を前に、ダイニングテーブルに向かい合って座っていた。 もうすぐ四月になり温かくなってきて、大きな窓ガラスから暖かな日差しが差し込んでいる。 こんな休日は昼寝をするのにはもってこいだな。そんなことを思いながら、入れてくれたアールグレイに口をつけつつ、目の前の彼に視線を向けた。 「明日で約束の一年だ。離婚しよう」 私に向けた真面目な瞳を見た時、この話だろうと想像はついていた。 だから、私の返事は決まっていた。 「そうだね」 静かに同意して感謝を込めて目の前の人を見つめる。仕事の時はきちんとと整えられている髪が、休日の今日はサラサラとしている。 こうしていると今年三十歳になるとは思えないほど若く見える。 堂前尋人(ドウマエヒロト)。私の一年だけの夫だ。
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