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高校へ
「行ってきまーす。」
「しっかりするのよー!」
「はーい。」
私はそう言ってドアを開け、家を出た。
そして、オープンハイスクールや入試でしか行ったことのない高校の卒業式へ向かう。
登校中に、この状況について整理してみた。
まず、記憶の限り昨日は2022年の4月6日。
この高校の入学式の前日のはずだった。
…なのになんでもう卒業式になってるの?
…おかしい。という言葉しか出てこない。
もしかしたら長い夢かもしれないし、今日一日は注意深く皆に合わせて乗り切ろう。
まだこの状況を受け入れられていない私だが、そう決断するしかなかった。
どうか何かの間違いであって欲しい。
お母さんの勘違いであって欲しい。
…と願いながら、夢だという仮説を半分諦めて高校へと足を急がせた。
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