あとがき・夏田よりご挨拶

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あとがき・夏田よりご挨拶

「ソロモンと猫」をここまでお読みいただきありがとうございます。少しだけご挨拶を…  このお話はもともとは「新人市役所職員が主人公のBLを」と思って書きはじめた話だったのですが…お仕事BLというにはちょっとアプローチが浅かったかな…。「昼間は世を忍ぶ仮の姿、夜はほんとうの能力を発揮して活躍する」というエンタメ王道なストーリーを形にしたかったのですが、なかなかに難しかった。  「片思い」というテーマについては、少しは形にできたかな、どうかな、と思っています。主人公の達也は猫のことばがわかるという「ふつうではない」性質によって、子どものころはいじめに遭ったりして、辛い思いをしていました。しかし幼い頃にその性質を「好きだ」と言ってくれた叔父の良介に惹かれ、報われなさに揺れ動きながらも「片思いでいい、この人が好き」と覚悟を決めるまでの変化を書きました。また、最後は良介さんが達也の気持ちを受け入れて結ばれる…というふたりの関係性の変化も書いた…つもり、です…(声が小さくなる)  ことほどさように面白いストーリー作りという点においてはなかなか難しい挑戦でしたが、個々のモチーフやエピソード、人物描写の細部は楽しく書けました。読んでくださったあなた様に、なにかひとつでも「良いな」と思っていただける小話やキャラクターがあるといいなぁ…。個人的には、達也君の母であり良介さんの姉である周子さんが好きな感じに書けました。こむぎ君やしろほしを出せたのも良かった。彼らがいると話が早い(笑)  最後に。  この話の全体構成は「本編はキスシーンで終わって、番外編でがっつりエッチする」っていうのにしようと最初から決めてました。んふふ。なので、次のページより本編ラストシーンの「続き」をお届けします。全編ひたすら、らぶらぶエロシーンです…よろしければお読みください♡  これまでのクールっぷりはどこへやら、感情の制御装置が吹っ飛んで重たい執着をさらす良介さんと、けなげで可愛くていじらしい達也君のイチャイチャを、壁や天井や空気になって見守っていただけますように…。  本作にお付き合いくださいまして、ほんとうにありがとうございました! ではどうぞ、ページをめくってくださいね♡♡  夏田樹
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