プロローグ

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帰宅すると、既に兄の靴が玄関にあったので帰ってきているようだった。彼の自室から物音がするから、作業か何かをしているのだと思う。 お兄ちゃん、ごめんね。 今まで仲良くしてくれてありがとう。 わたし、もう疲れたの。だから、休んでもいいよね。 それと、彰人くん。 きらいだけど、たぶん、初めて会ったときからずっとすきだったの。 仲良くはできなかったけど、今さらどうでもいい。 もうあなたにいじめられることも、あなたが原因でいじめに遭うこともない、楽になれる場所に行きたい。 だから、永遠に覚めない眠りに就きたい。 そうして、わたしは、家に常備していた鎮痛剤を多量に飲む。 ベッドに倒れ、ふわふわした感覚に、意識が遠のいていった。
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