僕の夢

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僕の夢

 大好きな匂いを感じて僕は目を覚ました。周りを見渡すと他の兄弟達はまだ丸まって寝ている。起き上がると身体をウーンと伸ばす。  更に匂いが強くなって来てドアが開く音がする。そうママが散歩から帰って来たんだ。僕は急いでママの横に駆け寄った。 「エスター、また貴方が一番ね」  そう言いながらママが身体を横たえてくれる。  僕はママの一番前の乳首を咥えた。チュッチュと吸うと美味しいお乳が口の中一杯に広がった。少し遅れて兄弟達が他の乳首を咥えているのが見えたけど、そんなことどうでも良かった。僕はお腹一杯なるまでママのお乳を吸った。  満腹になった僕は、ママのお顔の所に歩いて、ママのお顔を舐めた。ママも僕の事を舐めてくれる。 「エスター、貴方は鼻が利くから、とても良い盲導犬になれるわよ」  知らない言葉に僕は首を傾げた。 「ママ、盲導犬って?」 「目の見えない人を助けるお仕事よ。鼻が利くのはとても大事なの。貴方のパパも盲導犬よ」 「……パパも? 僕でもなれるの……?」 「うん、盲導犬の学校に入って卒業出来たらね」 「分かった。僕、盲導犬になるよ」  僕の言葉にママが満面の笑顔で頷いてくれた。  そう、盲導犬になる。それが僕の夢になったんだ。
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