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不幸の中の朗報
結局、樹里ちゃんのママは助からなかった。そして、頭部を大怪我したエスターも両眼の視力を失ってしまう。
それはもうエスターは盲導犬として生きて行くことは出来なくなったという事だ。
その悲しみの中で、私に朗報が訪れる。緊急病院に飛んで来た樹里ちゃんのパパは、樹里ちゃんの生還を喜びながらも妻の死に心を痛めていた。そして樹里ちゃんから、私とエスターが樹里ちゃんを助けた事を聞いた彼は、ある提案を私にしてくれた。
「妻の免許証の裏には死後の角膜の提供の承諾がありました。娘を助けてくれた貴女に妻の角膜の提供させて頂きたいのです」
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